「世界変えるふたり、見えた」 作家が語る「精霊の守り人」誕生秘話

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「精霊の守り人」からはじまる「守り人」シリーズは、作家・上橋菜穂子さんの代表作の一つです。1996年に世に出て以来、三十路の女用心棒・バルサらが繰り広げる物語は、子どもも大人も魅了し続けています。上橋さんに、「バルサが生まれた日」のことを寄稿してもらいました。バルサに心惹かれた理由とは……。

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 作家になって30年以上経ちましたが、物語がどうやって生まれて来るのか、未(いま)だにわかりません。

山脈、街道… 風景とともに浮かんだ姿

 いつも、ある日突然、主人公たちの姿が頭の中に浮かんでくるのです。それも、風景と共に。

 「精霊の守り人」の場合はレンタルビデオがきっかけでした。

 もう28年ぐらい前のことですから、正確な記憶ではないかもしれませんが、ビデオをデッキにセットして、本編だったか、宣伝用の予告編だったかの映像が流れ、なんらかのパニック状態の中で、エキストラのおばさんが、男の子の手をひいて逃げるのを見た瞬間、女用心棒バルサと皇子チャグムが、私の中に生まれ出たのです。

腕のたつ女用心棒・短槍(たんそう)使いのバルサは、川に落ちたチャグム皇子を偶然助けたことから、母である妃に皇子の用心棒となるよう依頼される。皇子は異界の「おそろしいモノ」を身に宿し、父の帝に命を狙われていた……。バルサは追われるチャグムを守る。

 本当に唐突に、色あせた旅衣…

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