新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者数が急増している。家族が感染者となって自宅療養した場合、患者本人は発症から最短10日で学校や職場に復帰できるが、現状では、濃厚接触者になった家族はそこからさらに2週間、つまり計24日間も自宅待機を求められる(こちらは待機期間の短縮前にインタビューしたものです。その後、10日に変わりました)。
記者も昨年秋、子どもがコロナに感染し、24日間出社できなかった。ワクチンを2回打ち、PCR検査も陰性なのに……とずっとモヤモヤしていた。濃厚接触者の待機期間の短縮が検討されているが、家族は本当にこんなに長い間、自宅待機しなくてはならないのだろうか。長期間の職場離脱は、働き手確保の問題にもかかわる。公衆衛生が専門で、内閣官房参与でもある岡部信彦・川崎市健康安全研究所長に聞いてみた。
――そもそも、なぜ感染者は濃厚接触者よりも早く、10日で復帰できるのでしょうか。
新型コロナにかかると、陽性者はウイルスを排出します。つまり、他の人に感染させる可能性がある。その期間は、軽症者の場合、発症から10日以内と考えられています。
つまり、感染したことが明らかな人は、10日目まではウイルスを排出している可能性があるけれど、その時点を過ぎると、他の人に感染させる可能性はなくなります。だから、10日過ぎれば学校や職場に復帰することが可能なのです。
――そこからなぜ、家族は14日間もの自宅待機が必要なのですか。
この病気の潜伏期間は平均5.5日と言われています。これは、かなり早い時期にわかっていたことです。オミクロン株では若干短くなっているという報告も出ていますが、これまでは変異株に置き換わっても、基本的には変わりませんでした。
ただ、平均なので当然、人に…

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