「話にならない」ほどの記録的不漁 ハタハタ漁、ベテラン漁師も嘆き

高橋杏璃
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 産卵のために沿岸に来るハタハタの群れを取る「季節ハタハタ漁」の昨年末時点の秋田県内漁獲量は103トンで、不漁だった昨漁期からさらに半減し、記録的不漁となることが、県のまとめでわかった。ベテラン漁師からは悲痛な声が上がる。

 水産漁港課によると、昨期の確定値191トンの半分強にとどまっている。資源保護のための禁漁期間が明けて以降では、解禁直後の1995年の90トンに次いで少なくなる見込みだ。

 地域別の内訳は、県北部が79トン、男鹿北部が12トン、男鹿南部が1トン、県南部が11トン。季節ハタハタ漁の漁期は1月15日までだが、ほとんどの船は昨年末で漁を終えており、確定値で大きく増えることはないと想定される。

 ハタハタ漁にはほかに、産卵前の魚群を沖で狙う「沖合ハタハタ漁」がある。漁期は昨年9月~今年6月だが、最盛期を終えた昨年末時点の漁獲量は177トンで、昨漁期の確定値の7割にとどまる。

 県は今シーズンから、取りすぎを防ぐための方法を、漁獲枠の設定でなく出漁日数で漁を制限する方法に変えた。県水産振興センターは、600トン水準の漁獲量を今後10年間は維持できるよう、今期の出漁日数を決め、資源を管理する計画を立てていた。しかし、沿岸の刺し網漁や定置網漁は12~17日間、沖合の底引き網漁は22日間と定めた出漁日数の上限に、多くの船が達していない。

 季節ハタハタと沖合ハタハタを合わせた昨年末時点の漁獲量は280トン。県水産振興センターの担当者は「しけで出漁できなかった日が多かったのもあるが、そもそも(海に生息するハタハタの)資源量自体が少なかったと考えられる」と話す。3月に開く予定の資源対策協議会に向け、原因を分析している。

 男鹿市北浦相川の季節ハタハタ漁師、西方強さん(64)は「少ねえっていうもんでねえ、話にならない」と嘆く。期待した大群が来ることはなく、今期の出漁日数は3日ほど。北浦地区の上限日数の15日間には遠く及ばず、売り上げも赤字だった。記録的不漁だった昨期より「比較にならないほど少なかった」といい、県の予想をはるかに超える資源の少なさではないかと推測する。

 ただ、「(魚が)来ねえからってそう簡単にやめるわけにはいかない」とも西方さんは話す。北浦地区の住民にとって、ハタハタは単なる商品でなく、男鹿市の伝統行事ナマハゲに匹敵するほど大事な文化だという思いがある。(高橋杏璃)