国債残高、父の時代と比べて「10倍以上」 鈴木財務相が危機感

榊原謙
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 1980~82年に首相を務めた故鈴木善幸氏を父に持つ鈴木俊一財務相は7日、国の借金である国債の残高が父の時代と比べて「実に10倍以上の増加になった」と述べた。現在の厳しい財政状況は「国の将来の繁栄の最大のリスク要因」だとして、財政の立て直しが「必要不可欠」と訴えた。

 鈴木氏はこの日、財務省職員への新春のあいさつで「ちょうど40年前、私の父の内閣のもとで組織された1982年度(当初予算)と、2022年度(当初)予算案を比較してみたい」と言及。国内総生産(GDP)はこの間1・9倍に増えたものの、国債残高は82年度末の96兆円から22年度末の1026兆円へと10倍以上増加したと指摘した。

 鈴木氏は、「経済拡大のペースをはるかに上回るスピードで財政の悪化が進んでいる。経済活性化の取り組みと同時に、財政再建も必要不可欠だ」と訴えた。鈴木氏が編成作業を指揮した22年度当初予算案は過去最大の107兆5964億円に膨らみ、国債も新たに36兆9260億円発行する計画だ。ただ、岸田文雄首相は経済の再生が最優先で、財政再建は後回しにする姿勢を鮮明にしている。

 鈴木氏の父の鈴木善幸元首相は「増税なき財政再建」を掲げ、歳出を前年度以下に抑える「マイナスシーリング」を導入するなど、財政の健全化に取り組んだことで知られる。(榊原謙)