閉館ホテルにかかる税金 窓ガラス割れ、買い手もつかないのになぜ?

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松浦新
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現場へ! 固定資産税と廃虚①

 北海道第2の都市、旭川市の中心部から東に車で1時間ほど走ると、大雪山国立公園内に天人峡(てんにんきょう)温泉がある。切り立った岩に割れ目が入り、びょうぶのように見える「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」に囲まれた渓谷は、まさに秘境そのものだ。

 しかし、秘境ゆえに多くの観光客を集めるのが難しい場所でもある。三つあるホテルのうち、いま営業しているのは一つしかない。

 「天人峡グランドホテル」は2011年に閉館し、所有していた旭川市の会社は12年に旭川地裁破産手続きをとった。敷地は国有地のため、13年、建物だけが裁判所によって強制的に売り払われる「競売」にかけられた。

 だが、建物は雪の重みで屋根の一部と1階の窓ガラスが割れ、内部までひどく傷んでいた。これを競り落として買おうという落札者は現れなかった。

 破産管財人をした弁護士は「売却できず、取り壊し費用も出せなかったので、裁判所の許可を得て放棄した」と話す。とはいえ、放棄された建物を引き受ける会社も人もなく、事実上、所有者がいない「無主物」になったという。

 競売時の評価書によると、ホ…

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