新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」はこれまでにない感染力で、またたく間に流行が拡大している。「第6波」はもう避けられない。亡くなる人を最小限にするため、今後求められる対策と課題は何か。
1月上旬の今報告されている感染者は、昨年のクリスマス前後の感染状況を表しているとされる。その後、帰省や正月の宴席などでふだん会わない人との接触はさらに増えた。今後、3連休や成人式などのイベントが控えている。寒さが増し、換気をしにくい季節でもある。厚生労働省にコロナ対策を助言する専門家組織は6日、「さらに感染が急拡大するおそれがある」と予測した。
オミクロン株は重症化しにくい可能性が示唆されている。国内の重症者は今は少ない。ただし今はワクチン接種が進んでいる。さらに流行の初期段階で、感染者の大半を若い世代が占める。これまでの流行でも若者から中高年世代に感染は広がり、重症者数は2週間ほどたって増えてきた。
「幽霊病床」はなくなるのか
人口あたりの感染者数が全国最多の沖縄県の政策参与で県立中部病院感染症内科の高山義浩副部長は、こう指摘する。「高齢者に感染が広がった場合に、1週間から10日たって重症化する人が出るかを確認しないと、オミクロン株の重症度の評価はできない」
仮に重症化率がデルタ株などと比べて低くても、感染者数が激増すれば、一定の割合で重症者は出てくる。全人口に対する3回目のワクチンの接種率は0・6%にとどまるが、高齢者に前倒しで進めていく必要がある。介護施設や医療機関の職員にも定期的に検査するなどし、高齢者を感染から守ることが重要だ。
政府は昨夏と比べて約3割、約1万人増の約3万7千人が入院できる体制を構築したとしている。「確保病床」としながらスタッフ不足などの理由で「第5波」では機能しなかった「幽霊病床」はなくなるのか。そしてこの数で今後の拡大に対応できるのか。
5波のピークでは全国の13…

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