市民ら「金品受領、儀礼の範囲外」 関電元役員不起訴で検審申し立て

松浦祥子、室矢英樹
[PR]

 関西電力元役員らの金品受領問題をめぐり、八木誠前会長らを会社法の特別背任容疑などで告発した市民団体のメンバーらが7日、大阪地検特捜部の不起訴処分を不服として、大阪第二検察審査会に審査を申し立てた。

 元役員らは原発立地の福井県高浜町の元助役(故人)側から計約3億7千万円相当の金品を受領。東日本大震災後の電気料金値上げに伴い、減額した役員報酬について、退任後に嘱託報酬の形で補塡(ほてん)したことも判明した。告発に対し、特捜部は昨年11月、元役員ら9人全員を不起訴(嫌疑不十分)とした。

 市民団体のメンバーらは、特捜部が強制捜査をせずに不起訴とした点を問題視し、証拠提出を受けるだけではなく、捜索に入り、証拠を差し押さえる必要があると主張。一部の元役員が「預かり保管していた」と主張する小判や金貨などの写真を申立書に添付し「社会的儀礼の範囲をはるかに超えている。元役員らは、何らかの見返りを求められることは当然に認識していた」とした。

 役員報酬の補塡については、役員の退職金とみなすべき給与を嘱託報酬に仮装したと大阪国税局が認定したことを挙げ「嘱託業務は補填の隠れみのに過ぎない」とし、再捜査が必要だと訴えている。

 申し立て後の会見で、代理人の海渡雄一弁護士は「起訴されて真相が明らかになることは、関電の経営がまともな状態に戻っていくために極めて重要だ」と述べた。

 関電は取材に「当社は当事者ではなく、お答えする立場にない。引き続き業務改善計画に取り組む」とコメントした。

 検察審査会では、くじで選ばれた11人の市民が不起訴処分の当否を判断する。「起訴相当」か「不起訴不当」が議決されれば、大阪地検は再捜査しなければならない。(松浦祥子、室矢英樹)