カザフ騒乱、ロシアが部隊派遣 「外国の関与」主張 警戒強める米国

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モスクワ=喜田尚 ワシントン=高野遼
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 中央アジアカザフスタンで燃料価格の値上げへの抗議から全国に拡大した騒乱をめぐり、同国内務省は7日、「武装した犯罪者」26人が死亡したとし、制圧による市民側の犠牲を初めて明らかにした。ロシアなど旧ソ連6カ国の軍事同盟は「平和維持部隊」の派遣を本格化。米国はロシアの介入を強く警戒している。

 カザフスタンのトカエフ大統領は7日演説し、「全地方において憲法秩序はおおむね回復された」と表明。「武装勢力との戦いは完遂しなければならない」とし、徹底的に抑え込む姿勢を示した。

 抗議は年明け2日に西部で始まり、全国に拡大。都市部で大型商店などへの略奪も起きた。トカエフ氏は内閣を事実上更迭し、燃料、食料の上限価格を一時的に復活させるなど国民の懐柔を模索する一方、5日朝の演説で騒乱を「外国で訓練されたグループによるもの」と断定。治安部隊による激しい制圧作戦に乗りだした。

 ロシア・ディアなどの報道によると、最大都市アルマトイ中心部の広場では6日から7日未明にかけても激しい銃撃が断続的に続いている。霧で視界がないなか、連射音が響く映像がインターネットで流れた。広場に接する市庁舎は4日以来の騒乱で黒こげになっている。

 現地にはロシアの空挺(くうてい)部隊が、集団安全保障条約機構(CSTO)が派遣する部隊の先遣隊として到着。ロシア国防省はさらに主要部隊の派遣を急ぐ。CSTOの部隊は2千~3千人規模でアルメニアタジキスタンベラルーシキルギスの4カ国も加わるが、大半がロシア軍部隊で占められる見通しだ。

 ロシアは今回の騒乱について…

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年1月8日11時8分 投稿
    【視点】

    【視点】 現時点で大きな謎は、カザフスタンの最高実力者と目されているナザルバエフ前大統領は、今どこで何をしているのかということです。 これまでトカエフ現大統領は、ナザルバエフ氏の操り人形とみられていました。ナザルバエフ氏に絶対的な忠誠を誓