カンボジア首相がミャンマー訪問 「軍政にお墨付き」と批判も

ネピドー=福山亜希、ハノイ=宋光祐
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 カンボジアのフン・セン首相は7日、国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーを訪れた。昨年2月にクーデターが起きて以来、外国首脳が同国を訪ねたのは初めて。訪問には市民弾圧を続ける国軍の統治に「お墨付きを与えかねない」と批判も出ている。

 フン・セン氏は7日午前、政府専用機でミャンマーの首都ネピドー空港に到着した。訪問に合わせてマスク約300万枚などの医療品を搬送し、空港でミャンマー側に贈った。

 現地報道によると、フン・セン氏は同日午後、ミャンマー国軍のミンアウンフライン最高司令官と会談した。8日まで滞在する。

 カンボジアは今年、回り持ちで決まる東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国。フン・セン氏は出発前に訪問の目的について「すべての関係者による暴力を止めることだ」と述べた。昨年10月からASEAN首脳会議への出席が認められていないミンアウンフライン氏に直接会って民主派との対話を促し、ASEAN加盟国との協議の場に復帰させる狙いがある。

 一方、国際社会で孤立を深めるミャンマー国軍にとって、フン・セン氏の訪問は「大きなプレゼント」(外交筋)となり得る。国軍側もASEAN首脳会議への出席が可能になるよう、フン・セン氏に働きかけるものとみられる。

 今回の訪問には、ASEAN加盟国や人権団体から懸念の声が上がっている。

 インドネシアジョコ大統領は5日、フン・セン氏との電話会談後に声明を発表。昨年4月にASEAN加盟国やミャンマー国軍が合意した暴力の停止などの5項目について「履行に進展がなければ、ミャンマーの会議への出席は非政治的な代表にとどめるべきだ」として、フン・セン氏が国軍寄りの姿勢を取らないようにクギを刺した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、今回の訪問について6日の声明で「(ASEAN)加盟国の結束を乱し、誤ったメッセージを送る」と懸念を表明した。(ネピドー=福山亜希、ハノイ=宋光祐)