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埼玉、感染者の8割がオミクロン株疑い 病床増やしても不足の可能性

新型コロナウイルスオミクロン株

贄川俊、川野由起
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 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急拡大で「第6波」の到来が現実的となった。直近の埼玉県内の感染者で同株が疑われるのは約8割。医療機関への影響はまだ限定的だが、昨夏の「第5波」を大幅に超える勢いで感染者が増えていることから、県は7日、確保済みの病床を最大限増やすよう医療機関に要請した。

 「すでにオミクロン株にほぼ置き換わりつつあるといってもいい」。埼玉県の大野元裕知事は7日夜の会見でこう述べ、感染再拡大の危機感をあらわにした。県によると、3~6日の新規感染者のうち、オミクロン株の感染が疑われるのが約79%だった。

 県内では7日、新型コロナの感染者が新たに214人発表され、一日の感染者数が200人を超えたのは昨年9月25日(211人)以来に。内訳は県発表分が127人、さいたま市が55人、川口市が19人、越谷市が11人、川越市が2人だった。

 また県は、県内の企業で感染者9人のクラスター(感染者集団)が確認されたと公表。さらに県は、新たに15人がオミクロン株に感染したと発表した。いずれも海外渡航歴はないといい、軽症だという。県内の同株の感染者は計23人となった。

 感染拡大のペースは、これまでにない増え方にある。1月2日は県内で10人だったが、連日ほぼ倍増し、5日間で約21倍に。週あたりの感染者数でも顕著だ。前週比で増加に転じた昨年12月29日には8・3人だったが、6日後の1月4日に17・9人と倍を超え、その2日後の6日に46・7人と5倍超、翌7日には75・6人と9倍超となった。

 第5波では、増加に転じた昨年6月23日の78・1人から2倍になるのに21日(7月14日、163・7人)、4倍になるのはそこから8日(7月22日、328・1人)、8倍になるのにはさらに8日かかった。これらを比べると、拡大のスピードは、現段階のほうが速いのが特徴だ。

感染拡大「過去に例を見ないほどのスピード」

 感染が急拡大している一方で、6日時点で医療機関はまだ逼迫(ひっぱく)状況にはない。

 県は県内の感染状況のレベルについて、病床使用率は10の医療圏ごとに、感染者数は17の保健所ごとにまとめ、対策をとる目安にしている。それによると、県全体の入院患者は112人、病床使用率は6・5%で、医療が対応可能な状況を示す「レベル1」。最も高かった北部医療圏(熊谷市など7市町)でも15・7%で、まん延防止等重点措置の目安となるレベル2の20%を下回る水準だ。

 県内の人口10万人あたり1週間の新規感染者数も県全体で4・5人で、レベル1。最も高かった春日部保健所(春日部市、松伏町)で8・9人で、レベル2の15人を下回っている。

 オミクロン株は重症化しにくいとの指摘があり、県内の重症者も6日時点で1人のままだが、大野知事はまだ判断できる段階にないとした。

 そんな中で県は7日、コロナの入院病床を現在の995床から、事前に想定していた最大の2176床に一気に引き上げることを決め、医療機関に要請した。

 背景には、感染力が強いとされる同株の影響でどこまで感染が広がり、どこまで医療体制を逼迫させるかがわからないことがある。6日時点の入院患者は112人だったが、大野知事によると、このままのペースで感染拡大が続けば、20日後には2176床でも病床が足りなくなる可能性があるという。

 一方、まん延防止等重点措置など新型コロナ対応の特別措置法に基づく要請が必要な段階には至っていないとの認識も示した。病床使用率に余裕があり、措置を出した場合の事業者らへの影響が大きいことが理由だという。その上で「過去に例を見ないほどのスピードで新規陽性者数が報告されており、特措法に基づく要請など、さらに強いお願いをせざるを得ないとも限らない。予断を許さない状況だ」と述べた。贄川俊、川野由起)

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