SLの補修、月1回続け250回 NPOが記念の催し「歴史知って」

遠山武
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 福岡県直方市頓野のNPO法人「汽車倶楽部(くらぶ)」が修復・保管している蒸気機関車(SL)「9600形59647号」が、今年で製造100年を迎える。約20年前から月1回続けてきた保守活動が250回目となる9日、活動を公開し、記念のイベントを開く。

 59647号は1922年に造られ、74年に「筑豊本線さよなら列車」を牽引(けんいん)して引退。その後は同市内で保管されていた。老朽化し解体撤去されるところを地元の鉄道ファンが引き取り、それを機に汽車倶楽部が発足した。

 倶楽部が修復・保守活動を始めたのは2001年4月。月に1度、日曜に集まり、さび落としやペンキ塗り、壊れた部品の補修などにあたった。朽ち果てていた車両はかつての雄姿を取り戻し、活動拠点の敷地内に建てた雨よけ施設に「静態保存」された。

 その後、活動が知られるにつれ、各地で保管されているSLの修復の依頼や移設の相談が相次ぐように。現在、譲り受けたのが2両、預かっているのが2両。市外の展示場への「出張」も含め、毎月欠かさず活動している。現会員は県内外の鉄道ファン約90人。元国鉄マンの助言を受けながら、毎回十数人が手弁当で駆けつけ、SLの手入れに精を出している。

 9日のイベントは午前11時から。59647号の上から1千袋の餅まきをした後、車両を磨く保守活動があり、希望者は手伝える。屋内施設でのNゲージ鉄道模型の運転を披露するほか、1周約100メートルのレールを走るミニSL列車の無料乗車体験もある。

 理事長の江口一紀さん(60)は「筑豊は石炭産業で栄え、その石炭で動いたSLの歴史があった。そのことを多くの人に知ってもらいたい」と話している。問い合わせは汽車倶楽部(0949・26・9600)。(遠山武)