米軍関係の客「マスクせず怖いと思う一方で」 飲食店主の複雑な思い

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前田健汰、川本裕司、高橋豪 武井宏之 水田道雄
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 山口県では初となる「まん延防止等重点措置」の適用が7日、正式に決まった。対象は岩国市和木町で期間は9日~31日。岩国市内の商店街や繁華街にある飲食店の店主や従業員からは諦めの声が聞かれた。

 山口県岩国市のJR岩国駅前の商店街は7日午後、閑散としていた。商店街でお好み焼き店を一人で切り盛りする男性(68)は「感染が拡大してからは開いていない店も多い。昨年12月は客がゼロの日もあった」と話す。重点措置期間は31日までだが、それまでに感染状況が収束するとは思っていない。「時短要請は延びるだろう。当分人は戻ってこない」と諦める。

 岩国市内の酒販店「江木食品」によると、市内の飲食店に対する売り上げは昨年12月がコロナ禍前の約7割だったのに対し、今月は2割を切るほどに激減した。周南市など県内のほかの4店舗ではそれぞれコロナ禍前の9割前後、7~8割まで、それに比べると落ち込みが著しいという。

 県内では昨年末から感染者が急増し、米軍岩国基地がある岩国市が多くを占めることから、米軍岩国基地から感染が広がっている可能性が指摘されている。米軍岩国基地の発表によると、軍関係者の外出制限を強め、基地外ではバーの利用を禁じたことから、7日は軍関係者の姿をほとんど見ることはなかった。市中心部の繁華街、麻里布地区に住む40代の主婦石津明歩さんはお好み焼きをテイクアウト。「どこで感染するかわからない。外では怖くて食べられない」と話した。

 麻里布地区のバーで働く男性店員(28)の思いは複雑だ。昨年のクリスマス時期には多くの米軍関係者が来店した。「店内でマスクはつけていなかったし、気分が上がる人もいて怖いなと思う部分はあった」と話す。一方で、米軍関係者のおかげで店の経営が維持できてきた側面もある。「たくさん飲んでくれるし、良い関係は壊したくない。一方的には責められない」。店は重点措置期間中は休業する予定だ。

 居酒屋店主の横山郁子さん(76)が思い出すのは昨年のクリスマス。店近くの公園で基地関係者らしい人たちが酒を飲みながら騒いでいた。「感染が広がる前に、(行政には)これを何とかしてほしかった」と注文をつけた。店は、時短要請期間中は酒類が出せないため休業する。「仕方ない。ここまで来ると岩国はみんなで守らにゃいけんから」(前田健汰、川本裕司、高橋豪)

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