ジョギング中の黒人青年射殺、白人3人に終身刑 弁護側は上訴の意向

ニューヨーク=藤原学思
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 米南部ジョージア州で2020年にジョギングをしていた黒人青年が銃で撃たれて死亡した事件で、地元の州裁判所は7日、すでに殺人など複数の罪で有罪の評決が出されていた白人3人全員に、終身刑を言い渡した。弁護側は上訴する意向を示した。

 この事件は20年2月の昼間に発生。ジョギング中のアマド・オーブリーさん(当時25)が車2台に追いかけられた上、銃で撃たれて死亡した。被告側は現場周辺で当時犯罪が増えており、オーブリーさんを私人逮捕するつもりだったが、命の危険を感じて発砲したなどと主張していた。

 裁判所は7日、実際に銃を発砲した元沿岸警備隊員のトラビス・マクマイケル被告(35)と、その父親で一緒にピックアップトラックに乗っていた元警官のグレゴリー被告(66)にそれぞれ仮釈放のない終身刑と禁錮20年、親子の隣人のウィリアム・ブライアン被告(52)に仮釈放の可能性がある終身刑を言い渡した。ブライアン被告のみ、30年以上の服役後に刑務所の外に出られる可能性がある。

 量刑を担当した判事は言い渡し前に、オーブリーさんが5分間にわたって被告らに追いかけられていたと指摘。その長さを感じさせるため、1分間、沈黙の時間を取った。

 また、被告らがオーブリーさんを窃盗犯だと思い込んだ点について「他者について最悪の想定をすることは、自らの性格の最悪の部分をさらけ出すことになる」と語った。

 この事件では、ブライアン被告が撮影し、地元ラジオ局が入手した当時の映像がソーシャルメディア上で拡散した。米ミネソタ州で死亡した黒人のジョージ・フロイドさんの事件とともに、ブラック・ライブズ・マターBLM)運動が広がるきっかけとなった。

 3人は州法上の殺人などの罪とは別に、連邦法のヘイトクライム憎悪犯罪)でも起訴されており、裁判は2月に始まる予定。3人とも無罪を主張している。(ニューヨーク=藤原学思