消えたカザフスタン前大統領…報道官「臆測やめて」 側近は拘束

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モスクワ=喜田尚
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 燃料の値上がりへの抗議が争乱に発展した中央アジアカザフスタンで、情報機関である国家保安委員会は8日、政権に影響力を持つナザルバエフ前大統領の側近のカリム・マシモフ前委員長を国家反逆罪で拘束したと発表した。容疑の詳細は明らかにされていない。ナザルバエフ氏は抗議が始まってから公の場に姿を見せず、権力闘争が始まったとの見方が出ている。

 現職のトカエフ大統領は最大都市アルマトイで騒乱が起きた後、それまでナザルバエフ氏が務めていた安全保障会議議長に自ら就任。国家保安委員長のマシモフ氏を解任していた。トカエフ氏はナザルバエフ氏のおいの副委員長も解任した。

 マシモフ氏は、ソ連が崩壊した1991年から2019年まで大統領だったナザルバエフ氏のもとで2度の首相職や大統領府長官を務め、16年に保安委員会のトップに就いた。一方、トカエフ氏もナザルバエフ氏からの信頼が厚く、前政権で外相、首相、上院議長などを歴任して後継指名を受けた。

治安機関の裏切りなしには」

 ナザルバエフ氏は大統領辞任後も安全保障会議議長や与党党首の地位にとどまって院政が指摘されたが、20年には上院議長だった長女が解任されるなど、トカエフ氏への権力移譲が進む兆しもあった。ナザルバエフ氏本人は昨年11月に党首辞任を表明していた。

 燃料費値上げの抗議は年明けに西部で始まり、全国に拡大した。当初は平和的だったが、最大都市アルマトイでは市庁舎が襲撃されて炎上。大型商店で略奪が起きるなど騒乱に発展した。前政権の閣僚経験者の1人は7日、トカエフ体制を転覆させようという試みがあったとの見方を地元テレビで示し、「権力内の高いレベル、特に治安機関の裏切りなしには起こり得なかった」と語った。

 燃料費値上げへの抗議デモではナザルバエフ氏の引退を求めるスローガンも叫ばれたという。しかし年明けから同氏の消息は伝えられず、出国説、体調不良説もささやかれた。ナザルバエフ氏の報道官は8日、ツイッターに「(ナザルバエフ氏は)首都にいてトカエフ大統領と直接連絡をとっている。ウソと臆測を広げるのはやめてほしい」と投稿した。

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年1月9日9時13分 投稿

    【解説】ナザルバエフ前大統領は大変な大物で、プーチン氏など彼からみたらある意味で軽量級と言えるでしょう。旧ソ連時代にカザフスタンのトップとなり、ソ連共産党政治局員まで上り詰めました。今回のデモがほぼ鎮圧される中、カザフスタン情勢の焦点はナザルバエフ