第3回望まぬ施設を「追い出せてホッとした」 沖縄の今をつくった国民意識

有料会員記事沖縄・本土復帰50年

津田六平、笹川翔平
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 何が理由だったのか。秋田市の桜田憂子さん(58)は今も分からない。「計画はいきなりやって来て、いきなり去っていきました」

 沖縄から北東に1900キロ離れた秋田市に、新ミサイル防衛システムの配備計画が降ってきたのは2017年11月のことだった。陸上から敵のミサイルを撃ち落とすというイージス・アショアの配備先として、山口県とともに名が挙がった。県庁や市役所から3キロほどで、住宅地も近い演習場が「適地」なのか。謎だらけのイージスについて知りたい、と桜田さんは17年末に市民団体を結成した。

 演習場周辺の16町内会で構成する振興会の佐藤毅事務局長(74)は、基地建設で土砂投入を強行した沖縄・辺野古が頭をよぎった。「どんなに反対しても、沖縄のように秋田も押し切られるんじゃないか」

 防衛省の調査報告書にずさんなデータが見つかり、住民説明会では職員が居眠りした。住民の怒りは強まり、19年の参院選では配備反対を掲げた無所属新顔が自民現職を破った。

 それでも20年6月に当時の河野太郎防衛相が配備計画の停止を表明したとき、桜田さんはキツネにつままれた思いだった。秋田は沖縄のようにはならなかった。その年の夏には市民団体を解散したが、自分の中で答えが出ていないことがある。

「イージスはどこへ行くのか」

【連載】沖縄から考える民主主義 復帰50年

今年は、沖縄の本土復帰から50年になります。日本社会がいかに沖縄と向き合ってきたのか。日本にとって、沖縄の復帰50年とはどういう意味を持つのか。沖縄から日本の民主主義や地方自治について考えます。

 自分たちの地元から「国策」…

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