焼き肉店立てこもり、異例のスピード突入 人質を救った捜査の舞台裏

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山口啓太、増山祐史、田中紳顕、角詠之
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 東京都渋谷区の焼き肉店で8日に起きた立てこもり事件で、警視庁は発生から約2時間40分後に人質の店長を救出し、突入した捜査員が容疑者の男を監禁容疑で逮捕した。こうした事件の捜査は人質の無事が最優先で、警察は容疑者の要求を聞きながら投降を促す。膠着(こうちゃく)するケースが多く、3時間弱での突入、逮捕は異例だ。何が起きていたのか。

 事件はJR代々木駅近くの焼き肉店で起きた。雑居ビルの地下1階にあり、別のフロアには和食のチェーン店も入る。直前まで焼き肉店で友人と食事をしていた20代女性によると、店内は家族連れや1人客でにぎわっており、トラブルは目にしなかったという。

 異変があったのは8日午後9時ごろ。男性店長(49)から「店に来た客から『爆弾を起動した。警察に連絡しろ。騒ぐな』と記載があるメモを手渡された」との110番通報があった。

 捜査1課や原宿署によると、逮捕された男(28)は午後6時半ごろに入店し、焼き肉を食べた後に店長を人質に立てこもった。興奮した様子で、刃物を所持しているとの情報もあった。捜査1課は現場を管轄する原宿署から連絡を受けると、立てこもり事件や誘拐事件などを専門に扱う「特殊班捜査係(SIT)」をすぐに現場に急行させた。

 男は出入り口付近にいくつも椅子を並べ、バリケードを築いていた。捜査員に「俺の人生を終わらせてくれ。死刑にしてくれ」と話した。投げつけてきた財布を調べると、住所欄に「長崎県」と印字された免許証が入っていた。生年月日から男は28歳と確認できた。

 捜査員が確認したところ、店内には男が「爆弾」と説明する箱のようなものが三つあるのがわかった。縦20センチ、横10センチほどの大きさで、テープでぐるぐる巻きにされているようだった。一つには携帯電話も巻き付けられていた。男は箱を手に持つなどしていた。

察知されないよう人質を救出するには

 捜査員はガラス張りの出入り…

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