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駐ミャンマー大使、クーデター後初のインタビュー 国軍との接触は今

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ヤンゴン=福山亜希
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 国軍がクーデターで権力を握ったミャンマーで、日本政府代表として国軍とやりとりしてきた丸山市郎・駐ミャンマー大使が9日、朝日新聞などの取材に応じた。弾圧を続ける国軍に対し、水面下で自制を求めてきた日本の外交について、「効果を出したとは思っていない」と述べた。一方で「欧米にない独自のチャンネルを持っている」と強調し、アウンサンスーチー氏の釈放を国軍に働きかけていることも明らかにした。

 昨年2月1日のクーデター以降、丸山大使がメディアの取材に答えたのは初めて。丸山氏によると、「国軍に継続的に接触できている国がほとんどない」なか、日本は市民に対する「暴力行為の停止」などを国軍に訴えてきたという。

 国軍が任命した閣僚らとの面会時には「かなり国軍側に耳の痛い話もしている」とも述べ、拘束された人のリストを国軍側に示すなどしてスーチー氏らの解放を求めていると明かした。

 日本はミャンマーにとって先進国で最大の援助国だったが、クーデター後、新規の途上国援助(ODA)を止めた。ただ、継続中のODAはそのままで、経済制裁を科した欧米諸国とは違う対応を取っている。

 こうした日本の外交には「国軍の統治を容認している」といった批判が出ている。丸山氏はこの点について、「日本政府の要求を外に見える(露骨な)形で突きつける外交は、ミャンマーにおいては逆効果になる」と説明した。

 だが、国軍側は日本政府の要求を聞き入れていない。丸山氏は「静かな外交」の効果はまだ発揮できていないと話し、「状況は混乱を極めている」「最善を尽くしていく」とした。

 丸山氏は、国軍トップのミンアウンフライン最高司令官と接触しているかどうかについては「答えにくい」と明言しなかった。

国軍幹部「日本との関係は冷え込んだ」

 2018年から大使を務める…

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