米、ミサイルや軍事演習で「議論の余地」 ウクライナめぐりロシアと

ワシントン=高野遼
[PR]

 緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、米政府は10日のロシアとの直接協議に向け、ウクライナへのミサイル配備や周辺での軍事演習についてロシア側と議論できる余地があるとの考えを示した。一方、ロシアが求めている北大西洋条約機構(NATO)への加盟国制限には「決して合意できない」とも述べた。

 米政府高官が8日の記者会見で明らかにした。ウクライナの国境には10万人規模のロシア軍が展開しており、緊張緩和に向けて米ロ高官が10日にジュネーブで協議する。

 ロシアは、NATOがロシアへの脅威になっているとして、近隣国に攻撃的な武器を置かないことなどを求めている。これに対し米高官は、ウクライナへの攻撃的ミサイルの配備▽欧州における将来のミサイルシステム▽互いの軍事演習の制限――といった点について、議論や合意ができる余地があると述べた。

 一方、旧ソ連国のウクライナなどをNATOに加盟させない確約をロシアが求めている点については、合意できないと明言。NATO加盟国における米軍配備の縮小についても「(議論の)テーブルに載っていない」と述べた。

 また、米ロ間の協議を受けてロシアメディアが「米国が譲歩した」などと不正確な情報を流す恐れがあるとも警告。米欧側の同盟国を分断させる試みだとして、ロシア側の情報を安易に信じないよう呼びかけた。

 ロシアはNATO拡大停止などを強硬に求め、拒まれれば軍事侵攻も辞さない姿勢をみせている。米国としては協議決裂は避けたい一方、「明らかに受け入れられない要求を出し、相手が応じないとして攻撃を正当化するのは、確実に(ロシアの)手口の一部だと思う」(ブリンケン米国務長官)と警戒を強めている。(ワシントン=高野遼)