雪国の救世主になる?大変な除雪作業を「自動化」、新潟で導入始まる

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里見稔
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 雪国の冬に欠かせない除雪作業の重労働を、ICT(情報通信技術)が軽減するかもしれない。GPSによる除雪トラックの自動化や運行管理などの導入が新潟県内で始まっている。高齢化や技術継承の課題を抱える除雪現場の救世主となるか。

 国土交通省北陸地方整備局新潟市)が今冬、除雪作業を自動化した除雪トラックを試行的に導入した。昨年12月上旬、試作車に記者が同乗した。

 交差点などに差し掛かると、助手席のモニターが到達までの距離を表示、「0メートル」になると、ショベルの向きが左から正面へ変わった。運転手はショベルの操作レバーには触れていない。

 除雪トラックは通常、ショベルで雪を路肩に排雪しながら進む。交差点やバス停では、交通や乗り降りの妨げにならないよう、路肩に排雪せず前方に押し出しながら進む。マンホールなどの段差がある路面では、雪を削り取るグレーダーが接触しないよう上にあげて走行する。

 吹雪などの視界不良のなか、作業員はハンドルで除雪車を運転しながら片手でショベルなどのレバーを操作する。除雪歴20年以上の渡辺和宣さん(41)は「悠長な除雪なんてない。毎冬の初出動は、文字どおり『手に汗握る』ですよ」と気が抜けない作業だと明かす。積雪状況に応じた細かい操作は職人芸ともいわれ、慣れるまで数年かかるという。自動化に「作業が軽減される」と期待を寄せる。

 自動化の仕組みはこうだ。衛星から受信するGPS(全地球測位システム)の位置情報と、事前に読み込んだ地図情報をもとに、交差点などであらかじめ設定された操作が自動で行われる。このシステムは、北陸地方整備局が民間に委託して開発。18年度から段階的に着手し、今冬から阿賀野市阿賀町の国道49号(23キロ)や湯沢町の国道17号の一部区間(13・1キロ)で試験的に導入された。将来は管轄する県内の全ての国道(約660キロ)での実用化を目指す。地盤沈下がある場所など道路の個別条件も想定した測量を重ね、人による操作に近づけていくという。担当者は「テストを重ねて技術の熟成を図りたい」。

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急行できる除雪車をいち早く把握

 効率的な除雪に向けた取り組みも始まっている。県は国道や県道(計4552・9キロ)で稼働させる除雪車全1017台のGPS化を完了。16カ所ある除雪拠点などのノートパソコンで、全車両の稼働状況が分かるようになった。

 「今まさに県道を除雪中です…

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