深夜の自宅、高3は一気に書き上げた 「古今和歌集」古写本を展示へ

佐藤太郎
[PR]

 昨夏の第45回全国高校総合文化祭の書道部門で奨励賞を受賞した埼玉県立浦和商業高校の生徒の作品が、東京都渋谷区国立オリンピック記念青少年総合センターに展示されることになった。

 全国高校総合文化祭優秀作品展示会に出品されるのは、浦和商3年高野彩香さんの「臨 曼殊院本古今集」。京都市の曼殊院にある藤原行成の書とされる「古今和歌集」の古写本。総文祭では奨励賞を受賞し、県勢では最高位の受賞となった。大宮光陵、浦和西、富士見の3校は特別賞を受賞した。

 高野さんは浦和商に入学してから書道を始めた。中学時代はテニス部。入部の理由は「先輩が優しくて和気あいあいとして雰囲気がよかったから」。週3日の活動だが、大会が近づくと練習日はほとんど毎日になった。残念なのは同級生が1人もいなかったこと。寂しい思いもしたけれど「先生の指導を独り占めできた」と言う。

 顧問の中林千晶教諭は「高野さんは手首が柔らかく、クセのない字を書くことができるので細字に向いていると思い、曼殊院本を勧めてみた」と話す。完成まで半年ほどかかった。一番集中できる時間は家族が寝静まった後の深夜。自宅のリビングで一気に書き上げた。「どういう風に書いたか覚えていない」。中林教諭は「清書用紙は1組1万円ぐらい。その値段に臆することなく書くタフな精神力も必要なのです」と教え子の驚異的な集中力に舌を巻く。

 高野さんは今春、県内の企業への就職が決まっている。書道は「趣味程度に続けていくつもり」と話す。作品は2月1日から14日まで展示される。入場無料。(佐藤太郎)