重点措置初日、那覇の夜は閑散 「やっと普通に戻ったと思ったのに」

吉田啓
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 新型コロナ対策の「まん延防止等重点措置」が9日、沖縄、山口、広島の3県で始まった。沖縄では成人式が感染拡大の影響で開かれず、多くの若者らでにぎわうはずだった国際通りも閑散としていた。

 国際通りの近くにあり、女性2人で切り盛りする居酒屋「古都里(ことり)」では、2組4人の客がカウンターで杯を傾けていた。テーブルを含めて約30席。「普段であれば、感染防止対策で空けている席以外はだいたい埋まっているんだけどね」と、接客を担う玉城マキさん(68)は嘆いた。

 緊急事態宣言下にあった昨年5月下旬から9月末まで臨時休業した。その間は常連客とメールで連絡を取り合い、10月に再開するとすぐに客足が戻った。年明けも2日まで営業してにぎわったという。だが2日間休んだ間に感染者が急増し、5日から「パタッと人が来なくなった」。団体客のキャンセルも相次ぎ、調理を担当する宇栄原和美さん(64)は「やっと普通に戻ったと思ったのに。体の力が抜けていきました」。

 消毒や換気の徹底、パーティションの設置などの感染防止対策をした認証店で、31日までの重点措置期間中はお酒を出しながら午後9時まで営業する。今回、重点措置の対象となった3県のうち酒類提供が許可されたのは沖縄だけだ。「主要産業の観光がコロナでだめになり、酒も売れなくなったらみんながダウンする」と玉城さん。「(玉城デニー)知事は沖縄の状況を考えて決めたのでしょう」

 店を開いて40年ほどになる。「この状況から逃げるわけにもいかない。感染防止対策の徹底など、店を続けるためにやれることをやるだけです」(吉田啓)

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