幼形成熟のエゾサンショウウオ 各務原の水族館で展示

松永佳伸
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 幼いころの姿を残し、陸に上がらず水中で暮らし続ける幼形成熟した珍しいエゾサンショウウオが、岐阜県各務原市の世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」で公開されている。北海道大学の研究グループが89年ぶりに見つけ、希少種の飼育実績のある同館で生態が研究されることになった。

 両生類のエゾサンショウウオは通常、幼生時を水中で暮らした後、姿や形を変えて陸上生活に移行する。見つかった個体は、幼いときのエラや大きな尾ひれを残したまま、生殖能力のある大人に成熟し、水の中で暮らし続けている。幼いころの姿のままで大人になる現象は幼形成熟といわれ、「ウーパールーパー」がよく知られている。

 北大北方生物圏フィールド科学センターの研究グループが2020年と21年、北海道の池で見つけた。日本に生息するサンショウウオで幼形成熟が確認されたのは、1932年に北海道白老町の湖で生息していたエゾサンショウウオの記録が最後で、89年ぶりの再発見になるという。

 研究グループは生態の解明に向け、「アクア・トトぎふ」に共同研究を持ちかけた。研究グループが発見した幼形成熟のオス3匹と、人工授精で繁殖させた幼生8匹を同館が預かり、飼育、観察している。このうち体長約13センチのオス1匹を通常の個体と比較できるように公開している。

 同館は世界最大級の淡水魚水族館として2004年に開館。魚類、両生類、鳥類など約220種類2万点の生き物を展示している。なかでも絶滅の恐れがあるアベサンショウウオやマホロバサンショウウオなど、希少種に関する調査、研究、繁殖に実績があり、今回の共同研究につながった。

 飼育担当の田上正隆学芸員は「多くの人に見てもらい、その存在と現象を知ってもらいたい。いつまで幼形を維持しつづけるのかなど、わからないことが多く、注意深く飼育観察を続けていきたい」と話す。(松永佳伸)