片野坂新監督に「のどあめ」は必要になるのか 低迷ガンバの再建担う

金子智彦
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 新指揮官の声がかれないか、心配している。

 J1ガンバ大阪は、13位に沈んだ昨季からの捲土(けんど)重来を期す。1月8日に始動した新体制の目玉は片野坂知宏(ともひろ)監督だと思う。

 「強いガンバを取り戻す。責任と覚悟を持ってトライしたい」。ピッチ際で声を出し続けるあまり、しゃがれ声になる情熱的な50歳が、古巣へ帰ってきた。

 昨季まで6年間、大分トリニータを率い、J3だった地方クラブをJ1に引き上げた手腕は確かだ。「大分で結果を出すことによって、ビッグクラブで次のステップに行くことができれば、と思っていた」。ビジョンを現実のものにした。

 J1残留にきゅうきゅうとした大分時代から一転、昨季は低迷したものの、資金力があり代表レベルの能力を持つ選手も在籍するガ大阪の指揮官へ。力量と結果が厳しく問われる点では、監督人生における勝負所と言える。

 GKから丁寧にボールをつなぎながら、相手陣形が乱れたとみるや一気に攻め込むパスサッカーが特徴だ。戦術を駆使するその様は「カタノサッカー」と称される。攻撃的な3バックが基本だが、ガ大阪は代々4バックを得意とする。「システムうんぬんより、選手が一番力を発揮できる戦い方を見極めたい」。勝利のため、自身の変化もいとわないつもりだ。

 目標は3位以上。昨季33得点49失点のチームに得点50以上、失点40以下のノルマを課した。「プレーの強度の部分や戦術の共有を徹底するところは改善の余地がある。選手任せではなく(戦術の)大枠は示しながら、勝つためにどうプレーするか(選手と)合わせながらやっていければ」

 一人ひとりの選手に寄り添い、意思疎通を重視する人情派でもある。おとなしい選手が多く、“熱量”の面で物足りないガ大阪には最適なリーダーだと思う。

 大分時代、ガラガラ声を案じたサポーターのつぶやきがきっかけで「浅田飴」からのどあめの提供を受けた。ガ大阪の選手には片野坂監督ののどが潰れないよう白星街道を突っ走って欲しいものだが、果たして。(金子智彦)