「学校持たない校長に何ができる」震災・コロナの経験、元校長が本に

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近藤咲子
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 宮城県石巻市立雄勝中学校の新任校長だった50歳のとき、初めての卒業式を終えたその日に東日本大震災の津波が学校を襲った。震災10年だった昨年3月、コロナ下の対応に追われつつ定年退職。「『たくましく生きよ』そして『共に生きる』」のタイトルに思いを込め、経験を本にまとめた。

 佐藤淳一さん(61)。震災とコロナという非常事態で子どもたちが置かれた状況、学校の対応を校長の視点から記録した。

 震災当時は県内で最も若い校長だった。赴任して1年。卒業式の約2時間後、激しい揺れに見舞われた。3階建て校舎は屋上まで津波をかぶり、体育館は土台ごと押し流された。

 帰宅していた生徒77人は全員無事だったが、家族を亡くしたり、家を失ったりした生徒がいた。

 「学校教育に何ができるのか」。無力感にさいなまれながら、生徒たちが身を寄せる避難所を回った。内陸部の高校の校舎の一部を間借りし、1カ月余り後の学校再開へ奔走した。

 震災後、「経験を語り継ぐの…

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