青森山田の3冠導いた主将 名前の意味通りに自身も周囲も輝かせた

渡部耕平
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 第100回全国高校サッカー選手権大会の決勝が10日、東京・国立競技場であり、青森県代表の青森山田が4―0で大津(おおづ、熊本)を下し、3大会ぶり3度目の優勝を果たした。青森山田は高校総体と高円宮杯プレミアリーグイーストに続いての制覇で、「3冠」を達成した。

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 優勝の立役者はMF松木玖生(くりゅう、3年)だ。新チームになった1年前、主将として「3冠」の目標を掲げ、有言実行を果たした。

 決勝の大一番。プレーでも言葉でも、チームを引っ張った。前半、青森山田はボールを支配し、30分までに8本のCKを得ながらも得点につながらなかった。

 「チームに勢いがなくなっている」。松木主将は自らドリブルでゴールライン際まで駆け上がり、クロスを上げてCKを得た。闘志あふれる表情で「このコーナーで行くぞ!」と叫び、仲間を鼓舞した。

 37分、そのCKからDF丸山大和(やまと、3年)が頭で押し込み、先取点を奪った。「気持ちが伝わった。得点につながったのが一番の収穫だった」。主将の気迫に導かれるように、41分にFW名須川真光(まさき、3年)が2点目を決める。後半10分には松木主将が、仲間がゴール前に上げたパスに飛び込み、ヘディングで3点目をたたき出して勝利を引き寄せた。

 出身は北海道室蘭市。「選手権で優勝し、プロになる」と夢見て、青森山田中の門をたたいた。高校では1年生から選手権に出場。一昨年、昨年と続けて準優勝だったが、三度目の正直を果たした。

 昨年までは個人技を生かした強気なプレーも多かった。しかし、主将になってからは「自分を犠牲にしてでもチームを勝たせたい」と考えるようになり、周りの選手を生かすプレーが増えていった。黒田剛監督は「チームのために走り、跳び、そして(得点を)決めることまで結果として示してくれた、最高のキャプテン」とたたえた。

 名前の「玖」には「宝石」の意味があり、「宝石の誕生のように輝く」という願いが込められている。そんな活躍をめざし、卒業後はFC東京でプレーする予定だ。松木主将は「これからもチームを勝たせるような貢献をして、結果を残していきたい」と前を向いた。(渡部耕平)