早大初のベンチャーキャピタルを設立へ 田中総長「土壌を広げたい」

上野創
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 早稲田大の田中愛治総長は10日、新分野に投資するベンチャーキャピタル(VC)を今春に設立すると発表した。同大の研究を活用するスタートアップ企業を育成、支援し、日本と世界の将来に貢献するという。

 創設者の大隈重信没後100年を記念した式典の記念講演で明らかにした。VCの名称は「早稲田大学ベンチャーズ」。東京大のVCで取締役パートナーも務めた山本哲也氏と、科学者で産業用ドローン事業の経営者の太田裕朗氏という実績のある学外の人材2人が共同代表に就任し、1号ファンドは80億~100億円を予定しているという。

 大学が作ったVCは東大や慶応大が先行する。田中総長は講演後の記者会見で後発となった背景を「学内に知識を持つ者がいなかった」としたうえで、「(設立するVCが)東大の若手の特許に投資することもありえるし、東大のVCが早稲田のスタートアップに投資することもある。日本のスタートアップ全体の土壌を広げて強くしたい」と意気込みを語った。

 この日は「WASEDA VISION 150 AND BEYOND 2050年に向かう早稲田」と題した中長期ビジョンを発表。VC以外では、卒業生の寄付を募る基金の設立や、カーボンニュートラル分野の研究に注力する戦略なども示した。

 田中総長は、ビジョン策定の背景として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れを中心とした国際競争力の低下と、18歳人口が減り続け、2050年に現在の3分の2になるとみられる点をあげた。(上野創)