進学先、自分に合う「空気」信じて 早大本庄高の学院長が説く直感力

校長から受験生へ

聞き手・川口敦子
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 入試シーズンが始まります。コロナ下で頑張る受験生たちへ、校長からのメッセージをお届けします。

校長から受験生へ早稲田大学本庄高等学院学院長・半田亨さん

 第1志望校合格という夢をかなえるため、がむしゃらに頑張れること。それは間違いなくその人の力でしょう。でも、大切なのは入学した後です。与えられた環境で自分らしさを発揮できるよう最善を尽くせることもまた、その人の力だと思っています。

 だから私は、入学式で必ずこう言っています。「第1志望校でなくてもいい。本庄高等学院で生活すると決めた以上、この学校でいかに自分を活躍させ、情熱を注げるものがあるか、全力で探して下さい」。そのために本校では、国際交流、研究発表、部活など、数々のステージを用意しています。

 長い人生の中で、自分が本当にやりたいことに夢中になれる機会は、そんなに多くありません。たとえ希望した会社に就職したとしても、意に沿わない部署に配属されたり、人間関係で戸惑ったり。社会人になれば色々なことがあります。

 ただそのとき、自分の武器になるものがあればあるほど、「今の場所」で生きやすくなります。

 若い皆さんには柔軟性があります。高校時代、自分を知る過程の中で、状況に応じて多面的な自分を出せるよう、対応力を磨いていってほしい。本校では大学受験がない分、自らの潜在能力を知ることに時間を費やしてくれたらと願っています。

 私の専門は情報科です。大量のデータの収集や分析も習得すべき項目ですが、一番学んでほしいのは様々な情報を自分の表現で相手に届ける楽しさです。

 その原点は大学時代にあります。米国で研究発表をした時のウェルカムパーティーで、海外の学生に言われたんです。「日本人はなぜ質問をしないの? もっと会話をした方がいい」と。英語力の問題もあるかもしれませんが、それ以上に、自己表現をする力が確かに欠けていると痛感しました。

 だから在校生には、効果的に自己表現ができる大人になってほしいと思って授業をしています。その取り組みの一つとして、高校2年生の情報科で「未来の自分」を想定した架空の雑誌記事をパソコンで作成したり、自分のウェブサイトを作ったりする時間を設けています。

 コロナという制約がある中でも生徒たちは、その現実に臆せず、自分のやりたいことを見つけ、対面でできなければオンラインでそれを表現しようとしています。自分の高校時代をコロナでつぶされたくないという思いが伝わり、応援したくなります。

 この時期、志望校や受験校を決めている人がほとんどだと思います。学校選びについて、皆さんに伝えたいことがあります。複数の学校に合格した場合は、偏差値などではなく、自分の直感を大切にして進学先を決めてほしい、ということです。

 校舎があり、そこに集う生徒がいて、教員がいる。その学校に流れている空気があります。それは「雰囲気」と言い換えられるものかもしれません。

 皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか。扉を開け、どこかの部屋に入った時、ふと感じる「張り詰めた空気」「ほのぼのとした空気」。受験した学校の「空気」は、どう感じましたか。自分自身に合う空気が流れる学校に進んでほしい。そうすれば、その先もきっとうまくいく。私はそう信じています。(聞き手・川口敦子)

     ◇

〈はんだ・とおる〉1958年、秋田県生まれ。早稲田大卒業後、1987年から本庄高等学院の数学科教師。2003年から情報科を担当。教務担当教務主任(副学院長)を経て19年から学院長。

★早稲田大学本庄高等学院

・所在地:埼玉県本庄市栗崎

・創立:1982年

・生徒数:960人(2007年から男女共学)

・進学実績:政治経済学部73人、法学部44人、文化構想学部21人、基幹理工学部32人など、ほぼ全員が早稲田大に進学

・2年生後半から3年生12月にかけて卒業論文を作成。担当教員の指導を受けながら、実験・調査・文献収集をし、自分が定めた一つのテーマについての研究成果を論文にする。論文提出は早稲田大進学にあたっての必要条件であり、成績は学部決定における重要な要素になる

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