少年院でサッカー教室、教えるのはJリーガー 学びはプレー以外にも

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布田一樹
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 少年院に収容されている少年少女が、一線で活躍するJリーガーにサッカーを教わる――。そんな取り組みを法務省とJリーグなどが全国各地で進めている。プレーを通じて仲間とのコミュニケーションを学び、選手の姿を目標を持つきっかけとしてもらい、更生を後押しするのが狙いだ。

 「前!」「シュート!」「ナイス!」。昨年11月16日、福岡少年院(福岡市南区)のグラウンドでボールを追いかける少年たちの声が響いた。

 この日開かれたのは、アビスパ福岡のGK村上昌謙選手とMF北島祐二選手によるサッカー教室。実戦形式の練習で、選手が巧みなボールさばきやヘディングシュートを見せると、少年たちから「おー」と歓声が上がった。最初は緊張気味だった約40人の少年たちも、次第に仲間を鼓舞する声や笑顔が出るようになり、ゴールを決めた少年が選手とハイタッチする場面もあった。

 アビスパはよりコミュニケーションを促すような練習メニューも用意。少年たちは二手に分かれて列に並び、ブラインドサッカーで使う音が鳴るボールを、アイマスクをしながら十数メートル離れた仲間のもとへ手で運んだ。列で待つ仲間からは「右」「左」と位置を指示する声が飛んだ。

 教室の最後に、村上選手が少年たちを前に語りかけた。「周りの人を信じられる人は自分も信用される。人のために何かをできる人になってほしい」

 参加した少年の一人は「仲間がミスしても自然と『ドンマイ』と声が出て、喜びもチームで共有できて楽しかった。思いやりが大切なんだと改めて思った。自分も選手のように本気で打ち込めるものを今後の生活で見つけていきたい」と笑顔を見せた。

 法務省によると、これまでにJリーグや女子プロサッカーの計12クラブが、大阪府愛知県静岡県など10都府県にある13カ所の少年院でサッカー教室を開催した。アビスパは2021年11月から始め、福岡少年院のほか筑紫少女苑(福岡市東区)でも開催。今後も続けていく考えだ。

選手と一対一の対話も「本当にうれしかった」

 きっかけは、16年にJリー…

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