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東京都、時短要請に慎重 措置強化レベル到達も重症化リスクは不透明

新型コロナウイルスオミクロン株

小林太一
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 新型コロナウイルスオミクロン株による感染が急拡大する中、東京都が飲食店に対する措置の強化に慎重な姿勢を見せている。第6波に向けて都が示していた指標上は、1週間平均の新規感染者数はすでに営業時間の短縮要請をかける感染レベルに達しているが、オミクロン株の重症化率などが判然としないためだ。

 都は政府の感染状況を評価するレベルに準じて、飲食店への措置の内容を5段階で示している。週平均の新規感染者が500人になればレベル2として人数制限を「依頼」から「要請」に強め、700人になればレベル2・5として時短の要請をする、としていた。

 都内の週平均の新規感染者数は5日時点で135・6人と、前週の44・9人から1週間で約3倍に急増。8日には502・1人とレベル2に達し、10日には774・6人とレベル2・5も超えた。11日は890・4人まで増えている。

 だが、都は現在もレベル1に据え置き、コロナ対応の特措法に基づくまん延防止等重点措置の適用を政府に要請する段階に至っていない。小池百合子知事は重点措置や飲食店への措置の強化について、「専門家の意見を聴きながら、適切に対応していきたい」と述べるにとどめている。

 慎重な姿勢の背景にあるのは、オミクロン株の感染急拡大が続く一方で、入院が必要になる感染者の割合や、これまでは重症化リスクが高いとされてきた高齢者がオミクロン株に感染した際にどれくらい重症化するのかなど未知数の部分が多いことだ。都内の11日時点の重症者は4人、入院患者数は862人で確保病床の使用率は12・4%に抑えられている。

 都によると、オミクロン株への急激な置き換わりが進み、これまでの変異株で使ってきた医療需要の予測の方法を見直す必要に迫られているという。担当者は「デルタ株で想定した目安では対応できない。オミクロン株の特性が十分に確認できなければ、足元の対策がおろそかになる。重症者数や使用病床数の動きを注視する必要がある」と話す。

 小池知事は7日、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県の知事と合同で政府に対し、緊急事態宣言や重点措置など、都民や事業者に対する行動制限を強化する目安やレベル移行の基準について、オミクロン株の特性を踏まえて見直すよう要望した。

    ◇

 東京都医師会の尾崎治夫会長は11日、飲食店などへの時短要請や行動制限を強化するタイミングについて、「高齢者に感染が及んで中等症、重症者がどんどん増えていくような予測ができ、病床が埋まってくるようなことがあれば」と述べ、現時点では必要性が薄いとの認識を示した。同日の定例記者会見で記者団の質問に答えた。

 会見で、尾崎会長はオミクロン株の感染者がまだ若者中心で、現在は検査体制が拡充していることなどを挙げ、「(行動制限ではなく)動くときは検査して陰性を確認して動く。そちらにシフトしていくことが重要だと考えている」と述べた。(小林太一)

*緊急事態宣言・重点措置の適用時の東京都の状況

   年月日   週平均新規感染者 入院患者  重症者

【緊急事態宣言】

2020年4月7日 98・3人    1112人 -

  21年1月8日 1499・1人 3178人 129人

    4月25日 726・0人  1812人 50人

    7月12日 756・9人  1947人 55人

【まん延防止等重点措置】

  21年4月12日 475・7人  1484人 42人

    6月21日 391・6人  1282人 47人

現在=1月11日    890・4人  862人  4人

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