アスリートの爪を守る「補修液」 スズメバチの繭から誕生

松田果穂
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 スズメバチの幼虫が羽化するときに巣の中に作る繭「ホーネットシルク」を使ったアスリート用の爪補修液を、群馬県桐生市の化粧品会社「アート」が開発した。繊維加工技術を応用し、群馬産業技術センターと共同開発した。プロ野球独立リーグ・BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスでも専属使用される。

 爪の甘皮部分に塗って指でなじませることで、爪に負担がかかる競技で爪が割れるのを防ぐという。禁止薬物が含まれていないことを証明するために、世界反ドーピング機関(WADA)から認証も受けており、アスリートも安心して使える。

 スズメバチの繭は主に、人の爪と同じ構造を持つ「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質でできている。補修液には、コーティングのような役割を果たす鶏卵の卵殻膜なども加え、美容目的の製品よりも補強効果を高めたという。

 専属使用契約は、ダイヤモンドペガサスを運営する群馬スポーツマネジメントが県内企業と結ぶ「コーポレートパートナーシップ」の第1弾。球団を通して県内企業の魅力を発信し、産業の活性化や知名度向上につなげるのが狙いだ。球団では選手が使うほか、ホームページで販売したり、試合会場で来場者にアピールしたりするという。

 昨年12月に県庁で共同会見を開いたアートの伊藤久夫社長は「補修液がスポーツ界で広がることを願う。これを使って良い成績を残してほしい」と話した。(松田果穂)