大隈重信と円制度 深い縁たどる 藩札や1年銀貨展示 21日まで

林国広
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 佐賀市出身の元首相、大隈重信(1838~1922)が、現在の通貨「円」制度に果たした功績を紹介する企画展が、同市の大隈重信記念館で開かれている。江戸期の各藩が発行した紙幣である藩札や明治初期の硬貨など約40点を展示。会期は21日まで。

 今年は大隈の没後100年にあたる。市などは特別企画展「大隈重信の円と縁」を2部構成で計画。第1部として「円の誕生」を開催している。

 同館などによると、円貨幣は1871(明治4)年、日本初の近代通貨法令「新貨条例」が公布されたことで導入された。「円」になった理由については、「貨幣を円形に統一したため」など諸説あるという。

 大隈は明治政府の会計官副知事など財政担当として、円制度導入に尽力した。世界の主な国と同様に円形のコインや十進法の導入を提案したという。

 ただ、円貨幣が初めて造られたのは同法令が公布される前年の明治3年。明治政府は大阪に造幣局を建設して貨幣を造り始めるとともに、同法令の公布に備えた。

 企画展では、円が使われた最初の貨幣である一円銀貨(直径38・6ミリ、重さ26・9グラム)を展示。竜がデザインされており、主に貿易に利用されたことから「貿易銀」と呼ばれた。

 このほか五十銭銀貨や一銭銅貨など、明治期に銀や銅で鋳造された硬貨を展示。江戸期の対馬藩田代領(鳥栖市基山町)の藩札3種類や、昭和初期の紙幣、新貨条例が公布される前に明治政府が発行した紙幣「太政官札」なども紹介している。造幣寮(のちの造幣局)開業式の写真には大隈も写っている。

 会期中無休。開館時間は午前9時から午後5時。入館料は大人330円、小・中学生160円。(林国広)