その画像、家族に見せられますか 高2は「自画撮り」の危険を訴える

杉山あかり
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 SNS上で知り合った相手に、自分のわいせつな画像を送らされてしまう「自画撮り」の被害が、中高生を中心に相次いでいる。福岡県立筑前高校(福岡市西区)の生徒が同世代の被害を未然に防ごうと、西署と協力し自画撮りの危険性を伝える啓発動画をつくった。

 県警少年課によると、2020年に自画撮りの被害を受けた18歳未満の子どもの数は県内で25人で、そのうち中高生は8割にのぼる。12年以降では17年の49人が最多で、近年は減少傾向にあるものの、小学生の被害は増加。15年には1人だったのが、20年には5人となっている。

 手口では、別人になりすまして画像などを送らせるものが相次いでいる。昨年6月に福岡市の大学生の男が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)などの疑いで逮捕された事案では、大学生がSNSで女子中学生のアカウントを乗っ取り、「母親が下着をつくる仕事をしている。手伝ってほしい」と、別の女子中学生にメッセージを送信。下着姿などの動画や画像を撮影させて送らせ、データを保存した疑いがもたれたという。

 昨年12月に、福岡市の別の大学生と沖縄県の会社員の男2人が強制性交等の疑いで逮捕された事案でも、大学生がSNSで女性になりすまし、男子高校生にわいせつな画像を送らせ、「拡散してほしくなければ言うとおりにしろ」などと脅して性的暴行を加えた疑いがある。

「その写真は『一生』残ります」

 こうした被害を防ごうと、西署が管内の高校に啓発動画の作成を持ち掛けたところ、筑前高校2年で生徒会長の内田麻央さん(17)と副会長の荒井智陽さん(16)が手を挙げた。

 内田さんは同世代の知り合いから、「SNSで知り合った男性に写真を送るよう言われた」と相談を受けたことも。荒井さんはSNSをあまり使わないため、自画撮りの被害を身近には感じなかったが、女性だけでなく男性の被害もあることを学び、同世代全員に被害の実情を知ってほしいと思うようになった。

 動画は30秒と1分30秒の2種類。「胸の写真を送ってくれない?」「絶対誰にも見せないから!」「次は裸の写真を送れよ! 送らないと写真をばらまくぞ!」などとSNS上で自画撮りを要求するやりとりをイラストで説明。

 写真が流出すると「その写真は『一生』残ります」と、自画撮りの危険性を人型アバターが説明し、最後には、「その画像 家族に見せれますか」と問いかける。

 動画制作には、学校で導入していたAIを用いた動画作成ソフトを使用。イラストは内田さんが色鉛筆などで描いた。荒井さんは、SNS上のやりとりで絵文字を使ったり、アバターの服装を制服のようにしたりと、中高生に親近感をもってもらえるよう工夫した。

 西署は昨年12月23日、前田章浩署長から2人に感謝状を手渡した。「動画を見て、自画撮りに関心をもってほしい」と内田さん。荒井さんは「自分は大丈夫と軽視せず、自分を大切にしてほしい」と話す。

 動画は、県警の公式YouTubeやツイッターなどで見ることができる。(杉山あかり)