投票権法案採決へ、制限の動きに対抗 バイデン大統領が支持訴え

有料記事

ワシントン=大島隆
[PR]

 米国の州レベルで広がる投票制限の動きに対して、全国規模で投票する権利を守る連邦法制定の動きが大詰めを迎えている。上院民主党は近く採決する方針で、バイデン大統領は11日の演説で、投票制限の動きを「民主主義への脅威だ」と批判し、法案への支持を訴えた。

 米国では共和党の州議会議員や知事が主導して、不正防止を理由に投票手続きを厳格化する州法の制定が進んでいる。一方、民主党や投票権問題に取り組む市民団体はこうした動きについて「マイノリティーらの投票制限につながる」と反対。郵便投票の拡大など投票を容易にする、全国で適用される新たな投票権法の制定をめざしている。

 バイデン氏は11日、ジョージア州アトランタで演説し、「数日後に予定されている法案への投票は、民主主義か専制か、光か影か、正義か不正義かを選ぶこの国の転換点となる」と訴えた。

 ジョージア州では昨年、州議…

この記事は有料記事です。残り893文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2022年1月12日15時20分 投稿
    【解説】

    日本では登録された住所に投票権が自動的に送られ、また投票当日の身元確認も緩いものです。しかし、アメリカでは投票にあたり、有権者登録が必要であり、また身元確認なども厳格です。それが少数派、とくに歴史的にはアフリカ系市民の投票を妨げるように機能

  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2022年1月12日23時47分 投稿
    【視点】

    「投票権は特権であり、制限されうる」。ピューリサーチセンターの昨年の調査で、共和党支持者の67%がこれに同意した。対照的に、民主党支持者の78%は「投票は基本的な権利であり、制限されるべきではない」と答えた。投票資格があるすべての住民を自動