金正恩氏、なぜ後頭部見せた? 国営通信の写真を専門記者が読み解く
聞き手・佐藤達弥
公開情報が乏しく、ベールに包まれた国である北朝鮮。そんな中でも国営メディアが配信する写真を観察すると、彼らの宣伝の意図が垣間見えることがあります。朝鮮中央通信が11日発射したミサイルに関連して配信した写真から、朝鮮半島情勢を長年取材してきた牧野愛博・外交専門記者に「見どころ」を解説してもらいました。
――まず、ミサイル打ち上げの写真。これは5日に発射したミサイルとは別なのですか。
「写真を見る限り、5日に発射したものと同じようです。開発段階の武器ですから、実験結果を分析して新たな改良を加えるためには通常、数カ月かかるでしょう。同じミサイルをなぜ、1週間も経たない際に発射したのか。軍事技術的には理解できない行動です」
――一方、朝鮮中央通信は今回、金正恩(キムジョンウン)総書記が極超音速兵器の研究開発部門の中心メンバーと撮った記念写真も配信しています。これにはどういう意図があるのでしょう。
「発射が北朝鮮国内を強く意…