地雷探知の英雄、旅立つ ネズミのマガワ 手足失う恐怖を除去

ハノイ=宋光祐
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 並外れた嗅覚(きゅうかく)でカンボジアの地雷除去に貢献したとして英国の動物団体から金メダルを授与されたアフリカオニネズミの「マガワ」が先週末、死んだ。所属するベルギーのNGO「APOPO」が11日に発表した。8歳だった。

 APOPOによると、マガワはアフリカ南東部のタンザニア生まれ。鋭い嗅覚で地中に埋まった地雷を探知する訓練を受けた「英雄ネズミ」として、2016年からカンボジアのシェムリアップに派遣された。

 爆発物に含まれる化学物質のにおいをかぎ分けて、人間であれば最長4日かかるテニスコートほどの範囲の地雷捜索を約30分で終えられる。マガワは昨年6月に引退するまで、合計で100を超える地雷や不発弾を見つけた。20年9月には約80年の歴史がある英国の動物保護団体からネズミとして初めて表彰された。

 APOPOは公式サイトに発表した声明で、マガワが死ぬまでの経過について、先週途中までは元気に動き回っていたが、週末が近づくにつれて、動きが鈍くなり、食欲を失っていったと説明した。その上で、「マガワのおかげで、カンボジアの人たちは命や手足を失う恐怖を感じずに働いたり、遊んだりできるようになった。マガワが残してくれたものは、彼が地雷探知ネズミとして救った命とともに永久に続いていくだろう」と活躍をたたえた。(ハノイ=宋光祐)