ジャパンディスプレイ、資本金1億円に 中小企業扱いで税負担軽減か

鈴木康朗
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 経営再建中の液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、資本金を約2151億円から1億円に減資すると発表した。資本準備金約246億円もあわせて取り崩し、これまでの損失の補塡(ほてん)にまわす。3月26日に開く臨時株主総会で提案する。

 資本金が1億円以下の企業は、税制上は「中小企業」の扱いになり優遇される。減資の目的には税負担の軽減もあるとみられる。

 資本金は株主から出してもらった事業の元手となるお金で、信用力を示す指標でもある。減資は経営者の判断だけではできず、株主総会で原則3分の2以上の賛成が必要だ。

 JDIには官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)を通じて4620億円の公的資金が投じられ、2083億円が未回収となっている。減資で公的資金の焦げつきが確定するわけではないが、資本金に手をつけざるを得ないほど経営が厳しいことを示している。

 JDIは12日、「累積損失の解消による財務基盤の健全化と持続的な成長に向けた資金確保を図る」と表明した。

 JDIは日立製作所、ソニー、東芝の3社の液晶パネル事業が統合し、2012年4月に発足した。スマホ向け液晶パネルが収益の柱だが、海外勢との競争などにさらされて業績は低迷。一時は債務超過に陥った。東証1部上場後の15年3月期から7年連続で純損益は赤字が続いている。22年3月期の純損益も184億円の赤字の見通しだ。

 資産運用会社「いちごアセットマネジメント」系の企業から支援を受けて再建をめざすが、主力の液晶パネルの販売は伸び悩んでおり苦境が続く。

 22年3月期は役員の報酬カットをしている。いちごアセットマネジメントの社長でもあるJDIのスコット・キャロン会長は無報酬だ。今回の減資に伴う新たなカットは予定していないという。

 コロナ禍のなか資本金を1億円以下に減らす企業は旅行や飲食、小売業界などでめだつ。資本金の額で中小企業かどうか判断する税制への疑問も出ている。(鈴木康朗)