パウエル議長、利上げ回数増を示唆 急激な引き締めには警戒感も

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ワシントン=青山直篤 青山直篤=ワシントン、高橋諒子
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 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11日、再任承認のための上院公聴会に臨み、2022年中に3回程度を見込んでいた利上げについて「予想を上回る物価上昇が長引けば、より多く進めなければならない」と述べた。年内にFRBが保有する資産を縮小して金融をより引き締める次の段階へと進む見通しも示し、加速する物価上昇を抑制する姿勢を強調した。

 パウエル氏は21年11月、バイデン米大統領から再任の指名を受け、上院は再任を承認する見通し。

 米経済はコロナ下で生じた製品や労働力の供給制約に加え、大規模な経済対策による需要回復が重なり、FRBの目標(2%)を大きく上回るペースで物価上昇が続いている。一方で、昨年12月の失業率は3・9%と、コロナ危機前の20年2月以来、初めて4%を切るまでに改善した。

 パウエル氏は「高いレベルの物価上昇が経済や人々の期待のなかに定着すれば、FRBはさらに強く経済を引き締める政策をとらざるを得なくなり、不況を招きかねない」と述べ、物価上昇について「厳しい脅威」だと危機感を示した。

 FRBはコロナ危機を受けた空前の金融緩和策からの正常化を図るため、21年11月から、米国債などを大量購入して市場にお金を流す「量的緩和」の縮小を進めてきた。これまでは緩和のペースを緩めるものだったが、今後は、FRBが保有する資産を減らして金融を引き締める「資産の縮小」政策へと移行していくことになる。08年のリーマン・ショックでは、金融緩和の後に「資産の縮小」に移行したのは17年10月だった。FRBは今回は「より早い時期に、速やかに」(パウエル氏)資産縮小へと移る方針を示しており、緩和から間を置かず引き締めに転換し、加速する物価上昇への対応を急ぐ構え。パウエル氏は「米経済は、パンデミック後のきわめて緩和的な政策をもう必要としていない」と強調した。

 ただ、新型コロナウイルス変異株の感染拡大など不安要素が残るなか、FRBがあまりにも引き締め方向に傾斜したと受け取られれば、景気の急減速や金融市場の混乱のリスクも高まる。(ワシントン=青山直篤)

■パウエル氏が直面するインフ…

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