ネット履歴の提供、同意が義務に? 総務省方針に経済界は猛反発

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杉山歩、江口悟
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 インターネット利用者の閲覧履歴をサイトの運営者が広告会社など第三者に提供する行為に、本人の同意は必要か――。利用者の関心にあわせて中身を変える「ターゲティング広告」に欠かせないこの仕組みについて、総務省は本人同意を必要とする法改正を17日からの通常国会で目指している。ただ、経済界からは強い反発が出ている。

 不動産の情報を検索していたら、検索サイトを訪れるたびにマンションの広告が表示されるようになったといった経験がある人は多いだろう。これは「どのサイトを閲覧したか」などの利用者情報が広告会社に流れ、履歴に合わせた広告が送られてくるからだ。

 業者が持つサーバーと利用者のパソコンやスマートフォンの間でやりとりされているのは、「クッキー」と呼ばれる情報保存の仕組みだ。これを利用して閲覧情報が自分の見たサイトの運営業者だけでなく、第三者の業者に渡っている。業者にとっては利用者の関心や行動の把握ができる利益の源泉だが、業者から業者へ次々とデータが渡っている自覚がない人も多い。

 クッキーは氏名や住所などの個人情報ではないとされ、国内では明確なルールがないまま、規制の対象外とされてきた。ただ、欧州連合(EU)が本人の同意のないデータ取得を原則禁じる規則を2018年に施行。アップルに続き、米グーグルも第三者の企業がクッキーを追跡する機能の提供をやめると表明するなど、対策が進んでいる。

 こうした流れを受け、総務省が今国会に提出しようとしているのが、電気通信事業法の改正案だ。サイトなどの運営業者が、第三者に閲覧情報などを送る前に利用者本人の同意を得ることや、嫌ならいつでも拒否できる「オプトアウト」の仕組みの導入などを義務づける方向で調整中だ。

 これとは別に、国内の利用者が1千万人以上のSNSや検索サービスの事業者に対し、利用者情報を保管している国名などの公表を義務づける規制も改正案に盛り込む。対話アプリ「LINE」で利用者情報を保管する国内のサーバーに中国企業からのアクセスが可能になっていた問題を受け、検討を進めてきた。

 一方、日本の経済界は規制強…

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