「大正噴火」並なら鹿児島市役所で降灰1メートル超 研究者予測

仙崎信一
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 桜島で起きた1914年1月12日の「大正噴火」の発生から108年がたった。桜島が大規模噴火した際の降灰による被害想定や対策について考えるシンポジウムで、大正噴火と同じ噴火が起きた場合、鹿児島市役所で最悪1メートルを超える灰が積もるという予測が研究者から示された。

 シンポジウムは昨年12月、鹿児島大(鹿児島市)であった。同大地震火山地域防災センターの中谷剛特任研究員は「火山噴火の降灰予測とハザードマップ作成」のテーマで講演。大正噴火と同じ噴火が2020年に起きたと想定した降灰ハザードマップを紹介し、各地の降灰予測を明らかにした。

 20年のある日の午前9時に大正噴火が起きたとして、1年間の風向きや風速を考慮すると、48時間(2日)後に最も灰が積もったのは、鹿児島市役所が1・21メートル(8月21日)▽姶良市役所が85センチ(8月26日)▽垂水市役所が53センチ(5月7日)▽霧島市役所が45センチ(9月11日)▽鹿屋市役所が12センチ(10月1日)。夏は風が弱いため、鹿児島市では8月21日が最も積もるという結果になったという。

 中谷氏は「鹿児島市では小学1年生が埋まる深さ、姶良市は3歳女児の頭しか出ない。果たして逃げられるでしょうか。想像していただきたい」と警告した。

 鹿児島市(8月21日)のケースでは、噴火から1時間で市電、2時間でJRがストップ。3時間で車の運転が制限され、9時間後には車が走行できなくなるとし、「車が使えないことを前提に、どう避難するかを考えてほしい」と話した。

 交通にも大きな影響が及ぶとしたのは三田和朗ホウセイ・技研執行役員。救援・復旧は数日間以上困難だという見通しを語り、「交通が確保できている前提の復旧計画は絵に描いた餅」と改善を求めた。さらに、放置車両が埋まることで救援車両が通れなくなるとし「路上の埋没車両は重大リスクだ」と指摘した。

 センターの浅野敏之特任教授は港湾への影響について話し、最悪の場合、錦江湾(鹿児島港、桜島港、垂水港)に降下した軽石を取り除くのには3カ月間かかると述べた。

 シンポジウムはオンラインを含め200人を超える人が参加した。(仙崎信一)