私大ガバナンス改革、新会議が初会合 年末の有識者案に批判相次ぐ

三浦淳
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 学校法人のガバナンス(統治)強化策を議論するため、文部科学省が新たに設置した会議の初会合が12日に開かれた。委員からは、文科省の別の有識者会議が昨年末に示した改革案に対する批判の声が相次いだ。新会議は今後、学校法人の理事、評議員の選任の仕方などについて議論する。文科省はそれを踏まえて私立学校法の改正案をつくる方針で、通常国会への提出を目指している。

 新会議は、大学設置・学校法人審議会内に設置された「学校法人制度改革特別委員会」。文科省の別の有識者会議が昨年12月、現行制度で学校法人の最高議決機関とされている理事会の権限を大幅に縮小し、学外者でつくる評議員会を最高議決機関とする改革案をまとめたが、私学側が猛反発。文科省は同法改正案の大枠を昨年中にまとめるのを断念し、私学側の意見を丁寧にくみ取るために新会議を設置するという異例の対応をとった。

 新会議のメンバーは13人。座長は中央大前学長の福原紀彦氏が務め、会社法の専門家や公認会計士ら5人、私学関係者7人が委員となった。福原氏は「ガバナンス改革の推進は重要だが、学校法人の多様性にも配慮したい。ゼロベースではなく、これまでの検討の方向性に沿って、合意形成を図りたい」と述べた。

 一方、私学関係の委員7人は有識者会議の改革案に疑問を呈した。日本私立大学協会の小原芳明会長は「学外者の評議員が教育、研究活動に資する意思決定ができるのか疑わしい」と指摘。有識者会議が、大学だけでなく、小中高や幼稚園を運営する学校法人にも改革案を一律に適用するよう求めた点についても「非現実的だ」などと批判が相次いだ。

 一方、会社法が専門の委員は「改革案には、最先端のガバナンスの議論が入っている。どこまで普遍性があるのか議論したい」。公認会計士の委員は「学校法人の自主性と公共性のバランスが大事だ」と述べた。(三浦淳)