子供たちの言葉にうれしい驚き 夏挑戦の冬のメダリストが見た希望

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松本龍三郎
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東京パラリンピックが起こした変化

 東京大会にパラテコンドーで出場した太田渉子(32)は元々、冬季競技のトップアスリートだ。2006年トリノはバイアスロンで銅、10年バンクーバーはスキー距離で銀。14年ソチでは、日本選手団の旗手を務めた。「冬季競技の醍醐(だいご)味は、なんと言ってもスピードと迫力。冬の競技はとにかく格好良い」と魅力を語る。

 生まれつき左手の指が無い。テコンドーでの東京大会出場を目指すと決意したのは、冬の競技を引退した4年後だった。東京大会から採用された新競技にもかかわらず、日本の女子選手がいなかったためだ。

 太田が感じる夏と冬の大会の違いの一つは、認知度。競技数や参加人数が桁違いだ。北京大会が6競技78種目を実施予定で、最大約740選手の参加が見込まれるのに対し、昨夏の東京大会では、22競技539種目が行われ、約4400選手が参加した。

 太田が素人同然からスタートした新競技で出場を目指したのも、母国開催の夏季大会なら、注目されて競技自体を盛り上げられるという期待があったからだ。

 その効果は東京大会後、早速実感した。岩手県の中学校で、障害やパラスポーツについて自身の経験を教える機会に恵まれた。子どもたちが「すごい、パラリンピアンだ!」と目を輝かせて迎えてくれた。

 太田にとってはうれしい驚きだった。「これまでなら、子どもたちの反応は、『手が無い、どうして?』というようなものばかりだった。でも、違った。オリンピック選手と同じような扱いで接してくれた。大きな変化だと思った」

 太田はテコンドーで2年後の…

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