「子どもが泣くリアルさ」 妖怪たちが暮らす町

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尾崎希海
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「まだまだ勝手に関西遺産

 突然ですが、妖怪はお好きですか。各地に「ミイラ」が残るかっぱ、老猫が化けるという猫又(ねこまた)、なぜ小豆? なぜ洗うの?と問いかけたくなる小豆洗い。恐ろしくもかわいげがあり、どこかノスタルジックな妖怪たち。彼らに会える町が、兵庫県にある。

 ゴボゴボゴボゴボ……。公園内の池が突如、勢いよく泡立ちはじめた。水中からゆっくりと姿を現したのは、真っ赤な肌のかっぱだ。ギョロリとした目に鋭い牙。骨張った腕はうろこに覆われ、水中へと招くようにさしのべられている。「あっち行こう!」。居合わせた子どもが母親の袖を引いて訴えた。

 播磨地区の中央に位置する福崎町。人口は2万人ほど、山と田畑に囲まれたのどかなところだが、町内にある辻川山公園は穏やかではない。かっぱの「河次郎(ガジロウ)」をはじめ、多くの妖怪の像や仕掛けが訪れる人を待ち受けている。

 もとは何の変哲もない、地域の人たちが憩う場だったという。困ったことに、園内の小さなため池は、浄化装置を入れても濁ったまま。「ならばいっそ、水中からかっぱを出してしまえ」。当時の町長の一声で2013年、何とも夢のあるプロジェクトが始まった。

時はゆるキャラ全盛期。だが……

 福崎町は「遠野物語」で知ら…

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