「ヒールリフト」もう一度 フットサル室田祐希選手
昨年9月にリトアニアで開かれたフットサルのワールドカップ(W杯)にエスポラーダ北海道の室田祐希選手(29)が初めて出場し、得点を決めた。サッカーで挫折して見いだしたフットサルを突き詰める覚悟だ。
W杯1次リーグの初戦、初ゴールを決めた。クロスバーに跳ね返ったボールに右足で反応し、「こぼれ球が来るだろうとゴール前に詰め、気持ちで押し込んだ」。予選を突破し、16強の決勝トーナメント1回戦。ブラジル相手に惜しいシュートを放つ場面もあったが、2―4で敗れた。「守備の圧力がすごく、点差よりも実力差を感じた」
29歳でようやくW杯に出場できた満足より、さらに上をめざす意欲をかき立てられた。「燃え尽きなかった。現役を続ける限りは常にW杯をめざしたい」。帰国後の2週間の隔離期間を終えると、さっそくチームに合流し、その日の試合に出場した。
以前から、ある1本のゴールの動画が世界中で共有され、知られた存在だった。2014年、クウェートでの試合。相手ボールを奪ってドリブル。ボールを両足で挟んだあと、左足のかかとで蹴り上げて自らの背後から浮かすと、ゴールキーパーの頭上を越え、ゴールネットを揺らした。「観客に喜んでもらえるゴール。当時はいちばん練習していて、とっさに出た。思い入れのある技」。日本代表での初ゴール。曲芸のような「ヒールリフト」が室田選手の代名詞になった。
ドリブルのうまさ、発想力の…