私がモデルをしながら介護職を続ける理由 大事なのは「自分の幸福」

有料会員記事

聞き手・岸善樹
[PR]

 介護福祉士とモデル。「利他」の代表のように見える介護職と、人より目立つことが求められるファッションリーダーの立場とは、どう両立するのか。東京ガールズコレクションのランウェイに立ち、かつ福祉を学ぶ学生から絶大な人気を集める介護福祉士の上条百里奈さんに聞いた。

上条百里奈(かみじょう・ゆりな)

介護福祉士、モデル。1989年、長野県生まれ。中学で介護ボランティアを始める。東京ガールズコレクションやCMなどに出演。白梅学園大学嘱託研究員・非常勤講師

「いまやりたいことを、いましてもらう」を大切に

 ――なぜ介護に関心を持ったのですか。

 「14歳の時に職業体験で高齢者介護施設に行ったんです。体の不調や障害があったりして自由度が低い生活を強いられているはずのお年寄りが、『お食べ』とお菓子をくれたり、『ゆっくりしておいき』と気遣ってくれたりした。私の未熟な介助にさえ、満面の笑みで感謝してくれる人たち。自分のことよりも私に幸せでいてほしい、という無償の愛情のようなものや器の大きさを感じて、そんな大人になりたいと私も思った。福祉系の短大を出て、地元の高齢者施設に勤めました」

 ――現在も介護現場の仕事は続けているのですか?

 「東京都内の事業所で、介護職員として働いています。小規模多機能型居宅介護といって、在宅の高齢者を中心に、通いや訪問、短期の宿泊といった介護サービスを提供する事業所です。街に積極的に出て行くようにしていて、『街の道路は廊下』『スーパーやカフェは交流スペース』に見立てて、イルミネーションを見に行くとか、タピオカを飲みに行くとか、いろいろ計画します」

 「利用者に『いまやりたいことを、いま』してもらうことを重視しています。記憶障害により、新しい予定や自分が行ったことを忘れてしまう方もいます。でも、だからこそ『きょう楽しかった』を繰り返すことが大切です。それが1年になり、人生になっていきます」

 ――並行して、モデルもされていますね。

介護施設で働きながら、22歳からモデルとしても活躍する上条百里奈さん。なぜその二つの職業を続けるのでしょうか。記事後半では、介護とモデルの意外な「共通項」、そしてモデルの仕事を通じて関心を持ってほしい介護の課題や解決策の提案について、上条さんが語ります。

 「学会に出る機会があって東…

この記事は有料会員記事です。残り3074文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【7/11〆切】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら