あなたの前に、悩みを抱えた高齢者や家族が次々と現れる。ひとりでも多くの人から話を聞き、周りの住民らと協力して地域崩壊を防げ――。参加者がそんなミッションをこなすゲームを、首都圏1都3県で高齢者支援事業を手がける一般社団法人「コレカラ・サポート」(千葉県松戸市)が開発した。ゲームとしての面白さも追求し、高校の授業にとり入れられるなど反響を呼んでいる。
「超高齢社会体験ゲーム コミュニティコーピング」と題するゲームは2020年にオンライン版が完成。昨年は卓上版ができた。非売品で、体験会でゲームに参加してもらう形式をとっている。ゲームをきっかけに、地域で孤立する高齢者らの存在に気づき、関わる人を増やしたいという思いが込められている。
悩み抱えた住民がカードに
昨年11月、代表理事の千葉晃一さん(47)ら3人と、記者は卓上版を体験した。参加者はそれぞれ、架空の地域の住民のひとりに扮してプレーする。記者は「保険外交員」になった。
ルールはシンプルだ。
順繰りにまず、「住民カード」を1枚引く。表には浮かない表情をした人の絵が書かれ、例えば「D地区 60代女性 今後の生活が不安」などといった情報が記されている。その面を上向きにしたまま、盤上の該当する地区に置く。
次に、自分がどんな行動をとるかを考える。
選択肢は「住民に話を聞く(…
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