アンコウにヒラメ、キンキ……きらめく海の幸 そして納豆 食の王国

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編集委員・小泉信一
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現場へ! 茨城の逆襲②

 ブヨブヨした白い腹に、グワーッと大きく開いた口。「どんだけグロテスクな姿をしているんだ、お前は!」。そう突っ込みを入れたくなる。

 漢字で「鮟鱇」と書いて「アンコウ」と呼ぶ深海魚である。鋭い歯が並んでいるが、目は小さく、どこかユーモラスである。

 寒さが一層厳しくなる季節になると、その不思議な魚が恋しくなる。向かったのは茨城県北部の北茨城市。太平洋に面した旅館でアンコウ鍋をつついた。

 アンコウの肝を乾煎(からい)りして、みそとからめる。これが芳醇(ほうじゅん)なスープの源になるのだという。ひれ、卵巣、えら、胃袋、身、皮、肝臓の「七つ道具」と呼ばれる具材をすべて入れれば完璧だ。歯や骨以外にほとんど捨てるところがない。「東のアンコウ、西のフグ」と称され、冬の鍋料理の王様であるのもうなずける。

 元は漁師料理だった。狙ったカレイやタコに交じっていたが、捨てるのはもったいないと船上で食べたそうだ。茨城で観光客に出されるようになったのは、夏の海水浴向けに民宿ができはじめた昭和40年代という。客が減る冬の観光の目玉としてアンコウ鍋を出したら広く知られるようになった。

 それにしても茨城の人は幸せ…

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