第5回人手不足×AI=質的な失業 本当はやりたくなかった将来予測

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聞き手・石山英明
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 人口減が進む日本では、将来、深刻な労働力不足になることが懸念されていました。コロナ禍で、その流れは変わったのか。

 中央大学経済学部の阿部正浩教授(労働経済学)は、2018年にパーソル総合研究所と共同発表した「労働市場の未来推計2030」で、2030年に日本で644万人の人手不足になると指摘しました。今後も「基本的な流れは変わらない」と見ています。

 これから、何が起きるのでしょうか。

 ――「未来推計」は、644万人の人手が足りなくなるため、女性、シニア、外国人、生産性向上で穴埋めが必要との内容でした。コロナ禍によって推計の修正は必要でしょうか。

 さほど必要ではないと思います。人手不足の基調はコロナ禍でも変わっていないからです。有効求人倍率は1を超えています。正社員でもそうです。

 2008年のリーマン・ショックのときは、有効求人倍率が0・5を切りました。そのときとは明らかに異なります。今回は雇用調整がそれほど多くなく、飲食店ですら求人は微減でした。

アルバイトの時給は上がっている

 ――飲食店では時短営業などで一時的に人があまったのに、なぜでしょうか。

 都心部では、飲食店の求人は減ったものの、テレワークで家にいる人が増えたので、住宅地での求人は逆に増えました。

今後、労働市場への影響は人数ではなく質の面で出るーー。阿部正浩教授はそれを「質的な失業」と表現します。記事の中で詳しくお伝えします。

 つまり、労働需要の場が変わ…

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