ウーバーイーツ配達員を業務上過失致死罪で起訴 自転車で死亡事故

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 フードデリバリー大手「ウーバーイーツ」の配達員が自転車で高齢者をはねて死亡させた事故があり、東京地検東京都内の配達員の男(28)を業務上過失致死の罪で在宅起訴した。起訴は昨年12月8日付で、自転車事故に同罪を適用するのは極めて異例。

 地検などによると、男は昨年4月17日午後7時5分ごろ、東京都板橋区内を自転車で走行して食品を配達中、T字路交差点の横断歩道を渡っていた男性(当時78)をはね、2日後に脳挫傷で死亡させたとされる。自転車はレース向きのロードバイクでライトは付いていなかった。当時は雨が降っており、男は眼鏡に雨が付着する中、時速20~25キロで走行していたという。

 ウーバーイーツでは一定期間内に指定件数を配達すると追加報酬が支払われる「クエスト」という仕組みがあり、雨などの悪天候時の配達にも適用される。

 業務上過失致死傷罪の成立には、その行為に人の生命や身体に危害を加える恐れがあることが必要となる。自転車はそうした危険な乗り物ではないとされ、通常の事故では過失致死傷罪などが適用される。今回も警視庁は男を重過失致傷容疑で逮捕し、男性の死亡後は同致死容疑で捜査した。

 一方で地検は、男が高性能のロードバイクでスピード運転をしていた態様を重視。こうした危険運転を誘発するような追加報酬の仕組みが業務システムとして作られていた点も踏まえ、業務上過失致死罪に切り替えて起訴した。

 交通事故に詳しい丹羽洋典弁護士は「限られた時間で配達件数に応じた追加報酬がもらえるなら、配達員は当然少しでも多く回ろうと急ぎ、事故の危険性は高まる」と指摘。「ウーバーイーツの仕組みが事故を招いたことは否定できず、安全面より利益を優先する制度に警鐘を鳴らす事件ではないか」と語った。

 ウーバー社は取材に「配達パートナーへの交通安全の啓発活動を強化する」とコメント。事故の内容については「捜査に関するため答えられない」とした。