相次ぐ日本の統計不正、「国の針路を誤る」 世界水準との違いは?

会員記事

聞き手・伊藤弘毅
[PR]

 国の基幹統計「建設工事受注動態統計」の調査で、国土交通省が建設業者から提出された受注実績のデータを無断で書き換える不正を長年続けていたことが、朝日新聞の報道で明らかになりました。近年相次いで発覚している統計不正は、世界の常識から見るとどう映るのか。そもそも、政府統計をとるのに他国はどんな体制をとっていて、再発防止のために日本が学べる事例はあるのか。政府の統計委員会で初代委員長を務めた、竹内啓・東京大学名誉教授(統計学)に聞きました。

 ――国の基幹統計を巡って、新たな不正が明らかになりました。2018年以降に発覚した、厚生労働省の二つの基幹統計を巡る不正に続くものです。

 重大な事案です。厚労省で明らかになった二つの基幹統計を巡る不正と比べても、今回の国交省の件のほうがより悪質だと言えるでしょう。調査対象が提出した元データを、官僚が勝手に書き換えているのですから。

 ――国際的な学会にも数多く出席し、海外の研究者との親交もある竹内さんから見て、相次ぐ日本の統計不正はどの程度深刻なのでしょうか。

統計は情報インフラ

 間違いなくゆゆしき事態です。現代国家にとって統計は、「証拠に基づく政策立案(EBPM=Evidence Based Policy Making)」を進めるために欠かせない情報インフラだからです。しっかりした統計データがなければ、EBPMは成り立ちません。しっかりした統計が、先進国を先進国たらしめている、とすら言えます。

 もしかすると我々日本人が知…

この記事は会員記事です。残り2757文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。