英情報局、「中国の工作員が政治家に接近」 議会に異例の警告

ロンドン=金成隆一、北京=高田正幸
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 英情報局保安部(MI5)が、在ロンドンの弁護士の女性が中国側と連携して英国政治に干渉しようとしているとの警告を、下院議長を通じて議員に発した。英メディアが13日、「異例の警告」(BBC)などと一斉に伝えた。

 報道によると、通知は、ロンドン市内に弁護士事務所を持つクリスティン・リー氏について、中国共産党の中央統一戦線工作部(UFWD)と「秘密裏に連携」し、政治家への献金に関与してきたと指摘した。資金が中国や香港から提供されていたとも強調した。

 中央統一戦線工作部については「中国共産党の政策を促進し、同意しない個人に対抗するという目標を持って人脈を開拓している」と指摘。工作員らが政治家や有力者に近づき、中国共産党の目的を支持する言動の強要や、人権分野などでの批判の封じ込めを図っていると警戒を呼びかけた。

 BBCによると、リー氏は、野党労働党の下院議員に5年間で計42万ポンド(約6300万円)以上を献金していたという。

 リー氏の法律事務所はロンドンなどにある。朝日新聞は13日、電話をかけたが不在だった。

 一方、中国外務省の汪文斌副報道局長は14日の定例会見で「(英国のスパイが主役の映画)007を見過ぎている人がいるようだ。根拠のない発言をするべきではない」と、MI5の指摘に反論した。(ロンドン=金成隆一、北京=高田正幸)